【学生ボランティア便り】

 2012年4月からあくせす・ぽいんとで活動させていただくくことになりました「ゆり」です。先日初めて、活動として寄贈された本を「学校図書館」に相応しいものとそうでないものに分けたり、本ごとにデータを入力し分類したりする作業をしました。最初は慣れなくて要領をつかめなかったのですが、今では効率よくできるようになってきましたよ〜。ヾ(@⌒ー⌒@)ノ

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 本を寄付してくれる人がたくさんいることを知りとても温かい気持ちになりました。感謝するとともに、これからの活動もしっかり頑張っていきたいという思いでいっぱいになりました。
 また、最近履修している図書館情報学課程の授業で、子ども達が本に接する大切さについて学びました。本を読むということは、将来の人生を左右しうるほど大きな意味を持つといいます。特に子どもの頃に出会う本は、彼らに様々な知識を与え、教養を深めます。また、読書は子どもの健やかな成長を助け、性格、精神を形成します。それほど、子供時代における本との出会いは重要だと思います。被災地の子ども達が早く以前のように本に触れる機会を得ることが出来たらと思いますので、引き続きボランティアに参加させていただきます。
(^O^)

Chance for Children

 世の中には、素晴らしい活動団体が数多くあります。「Chance for Children」もそんな素晴らしい活動団体のひとつです。Home Pageによると、Chance for Childrenは、阪神・淡路大震災で被災した子どもたちの支援を行ってきた特定非営利活動法人ブレーンヒューマニティーのひとつのプロジェクトとして、2009年に発足しました。特定非営利活動法人ブレーンヒューマニティーは、大学生が中心的な役割を果たしている組織で、キャンプなどの野外活動、不登校の子どもたちへの支援、海外でのワークキャンプ(例えば、フィリピンで貧困層の子どもたちへの学習支援)を行なっている法人組織です。
 「Chance for Children」は、2011年に
特定非営利活動法人ブレーンヒューマニティーから独立した一般社団法人で、経済的な理由により学校外教育を十分に受けることができない子どもたちに対して、学校外教育バウチャーを提供し、子どもたちが選択肢を広げるための機会を保障していこうとしています。

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Chance_for_children_Concept


また、図書寄贈活動関連では、最近こんな組織に出会うことができました。\(^o^)/
一般社団法人出版文化産業振興財団(JPIC)

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この財団が展開する「ブックリボン〜本を贈ろう笑顔をあげよう。〜」プロジェクトは、JPICが、皆さまの「読み終わった本」「本棚にねむっている本」を、本を手に取る環境が十分ではない施設や団体へ橋渡しするプロジェクトで、期間(2012年度は5月10日(木)~6月20日(水))と冊数(10万冊)を設定して活動するものです。活動の内容は、あくせす・ぽいんとの活動と類似(といっても、ブックリボン活動の方が歴史があり大先輩プロジェクトです(^_^;))していて、こんな所と連携できればなぁと思うのでした。((φ(・д・。)。ブックリボンプロジェクトは、送り先が、「公共図書館」「学校図書館」をあえて入れておりませんので、その補完的活動をあくせす・ぽいんとが担えればと「妄想」するのであります。(^_^;)。

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心のケアと学びの支援

 あくせす・ぽいんとのプロジェクトは、3本柱です(まだ準備段階のものありますが…(^_^;))。(1)本の寄贈、(2)英語での本の読み聞かせ、(3)子どもたちの学習支援です。この中で、子どもたちの学習支援は、3.11東日本大震災以降、かなり注目されていて、いろんな場所で展開されています。次元の学習塾の格子が無償で行ったり、次の新聞記事にあるような大学生の派遣による支援など、形態は多様ですが、環境変化による学習の遅れを防ぐため、積極的に取り組まれているようです。同時に、心の支援ということで、PTSDに対処すべく、プロボノと呼ばれる人たちも、子どもたちに深く関与しています。
(≧ο≦)人(≧V≦)ノ。

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 いずれも中長期的な視点にたっての支援となるため、にわかな個人的な思いつきのみではできない支援ですよね。行政も含めた確固たる「組織」が展開すべき活動ですので、資金力と組織力がある活動団体が頑張ってくれることを期待しています(他人任せの言い方で恐縮です)。
 ところで、貧困率って御存知ですか? 
Wikipediaでは、1日の所得が1米ドル以下に満たない国民の割合の事を「絶対的貧困率」、等価可処分所得(世帯の可処分所得を世帯員数の平方根で割った値)が全国民の等価可処分所得の中央値の半分に満たない国民の割合の事を「相対的貧困率」として紹介しています。
 厚生労働省の「国民生活基本調査」によると、2012年現在で公表されている内容としては、以下のとおりで、家族形態によりますが、概して、年収112万円以下が貧困層と言われています。

厚生労働省:平成22年国民生活基本調査概況:7章:貧困率の状況)【平成21年の貧困線(等価可処分所得の中央値の半分)は 112万円(実質値)となっており、「相対的貧困率」(貧困線に満たない世帯員の割合)は 16.0%となっている。また、「子どもの貧困率」(17歳以下)は 15.7%となっている。「子どもがいる現役世帯」(世帯主が18歳以上65歳未満で子どもがいる世帯)の世帯員についてみると、14.6%となっており、そのうち「大人が一人」の世帯員では 50.8%、「大人が二人以上」の世帯員では 12.7%となっている。】
 ここで確認をしておきたいのは、先進国である日本においても、15.7%の子どもが貧困にあえいでいる現状です。一般的に家庭における経済環境が適当でない子どもたちは、勉強について行けない場合が多いようで、『子供の貧困白書』(子供の貧困白書編集委員会編.2009)においても以下のように指摘されています。
「子どもにとって、貧困な状況を生きるということは、単にモノやカネがないという物質的・経済的剥奪を意味するだけはでなく、その「壁」にブロックされることによって、多種多様な人間関係や機関や活動とのつながりから疎外される関係的・社会的剥奪を意味している。そうした物質的・経済的剥奪と関係的・社会的剥奪の相互連関は、本来そおの子どもが形成しうるはずの基本的信頼や自尊感情あるいは知識技能や学歴資格等を奪う実存的・自己形成的剥奪をもたらし、それが新たな「壁」になることによって子どもたちはさらなる関係や場の参加から疎外されることになる。」(p.15)
 機会の剥奪が「連鎖」していくことを考えれば、この15.7%という数字は、非常に深刻な数値として考えなければならないでしょう。世代間連鎖を考えれば、将来的に急増する可能性があるからです。
 あくせす・ぽいんとは、社会教育機関としての図書館を支援する立場から、そのような子どもたちの状況を見て見ぬふりをすることはできません。あくせす・ぽいんとの(3)の学習支援プロジェクトは、そんな思いから生まれました。上から目線で恐縮ですが、希望ある未来をもちたい子どもたちが、経済原理によって、学習の意欲が削がれ、機会すら与えられなくなってしまうというのは、大人の側が責任だと思っています。

 あくせす・ぽいんとの学習支援のプロジェクトは、他の類似の学習支援と異なって、図書館が前提にあります。あくせす・ぽいんとへの依頼主体は図書館であり、図書館の指示にしたっがって活動することに特徴があるのです。逆説的に言えば、社会的教育機関たらしめる図書館は、子どもの学習支援を積極的に取り組まなければならないことを促しているとも言えます。これまでの図書館は、図書を中心にした資料群・情報源を適切に管理し、必要なときに提供するというのが仕事の中心であったわけですが、これからは民間ではできない部分をライブラリアンとして実行できるかどうかが社会的要請だからです。特に、少なくとも、教育という文脈で、図書館が果たすべき役割とは何かについて、再検討すべき時期に来ていると思います。

 また、別の話題ですが、あくせす・ぽいんとが支援対象としてきた学校図書館の現状について、先日(2012.5.15:中日新聞朝刊)、新聞記事を見かけました。愛知県安城市小池小学校図書室が、学校図書館(図書室)の拡張計画にともなって、保護者による読み聞かせボランティアとともに、本の分類や部屋の模様替え等を行ったというトピックです。児童の保護者と地域住民ら30人が協力して、絨毯張りのスペースで床に座りながら読書が楽しめる環境を整備したそうです。子どもたちも「毎日、図書室に来て、本を読むのが楽しい。」と…。(@^▽^@)ニコッ

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 ただ、この環境を作り上げるために、読み聞かせの保護者ボランティアに協力を求めたり、学校図書館(図書室)には専任のライブラリアン(司書)がいないかったり(小池小学校は全校児童458人)、本の整理等は教諭が手分けをして行なっていたりで、教育現場での学校図書館の位置づけが低いことが改めて明確になりました。被災地でない学校図書館でもこのような状況であるなら、被災地東北の学校図書館は、どういう状況なのでしょうか。おそらく…、予想はついていますが…(^_^;))。気がかりです。

 ともかく、図書館を支援する組織として、あくせす・ぽいんとは、支援者とともに持続的に頑張らせていただきたいと思っています。

。゚。*★ガ ン (o`・ω・)o バ レ★*。゚る♪

東北は負けない!

 だいぶ前の話ですが、ゴールデンウィーク中のイオンには、「東北は負けない」パネルが展示されていて、現地で頑張っている人々の写真が掲示されていました。写真を見ていると、写っている人々の笑顔がなんとも眩しいこと…。逆にこちらがもっと頑張らないとねと、震災支援への意識を風化させない決意を改めて認識させて頂きました。
 大手マスメディアの報道を見ると、東北の現況報告はほとんど見られなくなり、あったとしても、頑張っている人々の活動報告があるばかりで(それも大事です)、なんとなく落ち着いた印象を持ってしまいます。でも、それはあくまでもなんとなくの全体像で、個別の事例を取り上げていけば、その限りでないことを、今でも現地に赴いている方に聞いてみるとよくわかります。雇用問題、子どもの教育問題(心のケア問題含む)、日常の生活問題、今後の人生観…、枚挙にいとまがありません。
 常に「支援ー被支援」のあり方は、時間経過とともに変化し続けるわけですが、支援する側として何が大切なのでしょうか。それは、「今、どのような問題があり、それについて自分が何ができるのか…」という問いを、常に頭の隅に入れておいて、時々、無理矢理にでも思い出してみることが、必要最低限の行為なのではないかと思います…。

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 そんなことをツラツラと考えていた折、ランチのために、たまたま入ったイタリアンのお店でデザートを頼むと、こんな文字が…。「Love」「Book」。まさしく、あくせす・ぽいんとの活動にぴったり。(^^)v
 ほんと、偶然ですよ、偶然。客の立場としてリクエストしたものでもなんでもありません。
(…というか、一般の人々にしてみたら、芸術性以外、まったく無用の長物ですね。すいません。(^_^;))

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 あくせす・ぽいんとの学生ボランティアさんは、2012年度は30人程度。引き続き、ご支援ください。
 ファイトォ*:.。..。.:*・゚(n‘∀‘)η゚・*:.。..。.:*!!!☆

支援者様からの寄贈本9(☆大感謝♪)

 支援者様からの寄贈本の報告です\(^o^)/。報告が遅れてしまっていることについて、支援いただいた皆様にはご迷惑をおかけしておりますこと、恐縮しています。(^_^;)。
 さて、その近況報告ですが、以下の写真に見られるように、ほんとうにきれいな活字本が届けられています。皆様方のご理解等に感謝するとともに、これからの活動も一歩一歩しっかりと歩んでゆかなければという思いでいっぱいになりました。
 「贈られて」きた本たちは、過去に学校図書館に勤められていた方が自分の子供ために購入していたものであったり、とあるARTISTのファンクラブの皆様が、その組織力とネットワーク力で収集いただいたものまであり、いずれも綺麗に梱包されていて、本当に嬉しく思います。+゚(pωq)゚+。エーン。ものによっては、わざわざ新規にネット書店で購入した本をご送付いただいた方もおり(『銀河英雄伝説』)、被災地へのあるいは子どもたちへの「想い」が強く感じられることに深い感銘を覚えます。

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 それと、今回「贈られてきた本」について、ぜひ報告させていただきたい本があります。以下の写真を見て下さい。
 あくせす・ぽいんとでは基本的には絵本は扱いませんが、障がい者対応の本は(その意義に照らしあわせても)その限りではありません。下の写真は、有名な絵本『きかんしゃトーマスシリーズ』と『しろくまちゃんのほっとけーき』ですが、拡大写真に見られるように「点字」が記されている絵本です。絵本の読み聞かせは、子どもの読書習慣のための「入口」ですが、それ以上に、子ども自身を取り巻く「世界=環境」を他者(多くは親)から学ぶ手段だと考えられます。それは、健常者であるとか障がい者であるということは関係なく、生きていく上で、最初に学ぶべき内容でしょう。
 周知の通り、ユニバーサルデザインという考え方があって、本のあり方もまたその対象であるべきだと思いますが、いまだに、障がい者対応の本は、ボランティア活動による生産に依存していたり、別途、注文されないと作成されないなど、ユニバーサルデザインの概念とはかなり距離のある状況だと思われます。今回、あくせす・ぽいんとが、これらの本を扱えたことは、間接的であるにしても、このような本が世の中で出版されていることを広告しつつ、子どもの成長・教育分野に関わっていけることを意味するので、本当に嬉しく思います。ご支援いただいた皆様、改めて御礼申し上げます。
 補足ですが、これら寄贈いただいた点字の本は、あくせす・ぽいんとのエンジンである学生ボランティアさんたちにも「新たな気付き」をもたらしてくれたようで、より積極的にボランティア活動に関わりたいという声もいただくようになりました。その意味でも、3.11を契機として贈られたこれら点字の絵本は、東北被災地の学校図書館へ責任をもって贈らせていただきます(言うまでもなく、点字の絵本を特別扱いするということではありませんよ…。誤解なきようにお願いしまーす。(^_^;)。)。拝

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( ≧▽≦)b Good Job!