図書館、どうなるのかなぁ…

 情報社会とは,高度にコンピュータが発達した社会のことではないと思います。普段の生活や仕事の文脈で、情報をうまく役立てられるようにその環境が整備された社会だと思います。私たちは、必要な情報をいかに探し出すか,そしてそれらをどのように活用できるのかを考えて日常を過ごしています。それ故、非常に大切なのは、世の中にどのような情報があり、また何処にあるのか、そしてそれらを探し出すにはどうすればよいのか、その手段を知ることではないでしょうか(一般にその知のあり方を「情報リテラシー」などと読んだりします)。
 公共図書館は、地域住民を主な利用者として、そのサービスを展開してきました。米国では、情報リテラシーの能力を高めるため、多くのプログラムが開発されているように聞いています。情報の収集・加工・発信ための図書館教育プログラムは多種多様ということです。日本では、「図書」は図書館、「コンピュータ」は情報処理センターというように、その業務は縦割りにされているのが一般的です。図書資料の活用とコンピュータの利用は、情報リテラシーの根幹をなすものであるのにもかかわらず、別々のものとして扱われているのが日本の考え方なのです。おそらく、それは、図書館のイメージが、いまだ「図書」にのみ関するものであることを暗黙的に感じているからなのでしょう。
 情報はコンピュータのことではありません。また、情報は図書のことだけでもありません。「情報」とは人々が「知りたい」「学びたい」といた「コトガラ」の総称です。

 図書館は、歴史的に「利用者の知識」になりうる多くの「資源」を所蔵してきました。今後は(既に進行中でもありますが)、Googleが巨大な電子図書館としての位置づけを模索するように、そのあり方が大きく変わっていくのかもしれません。その意味では、いま、図書館は、本当の意味での社会的情報インフラストラクチャになるチャンスを迎えているだと思います。
 でも、小さな書店の倒産増加や、10年にわたる書籍売上げの減少傾向、フラットな世界化とICT機器の進化を考えると、ちょっと心配になってしまうのも、またこれ事実です…。(-。−;)。


SL_2014